■取引文書の基本的構成
取引文書は、標準的書式例にあるように、全体に大きく三つの部分から構成される。第一の部分は前付といわれ、(1)文書番号、(2)発信日付、(3)受信者名、(4)敬称、(5)発信者名と印からなる。
第二の部分は本文で、(1)件名、(2)前文、(3)主文、(4)末文、(5)別記の五つの要素で構成される。
第三の部分は副文であり、(1)追伸、(2)同封物指示、(3)結語、(4)担当者名などからなる。
前 付
(1) 文書番号
文書番号は、発信番号、書簡番号ともいわれ、その文書がどの部署から発信されたものであるかを識別するため、文書ごとに与えられる固有の番号である。文書番号の決め方は、自社でルールをつくっておくとよい。
一般には、発信部署の略号、年度の数字、当該年度あるいは当月における連番の順に並べることが多い。
例えば、平成6年8月に営業部から発信し、それがその年8月になってから95通目の文書であれば、「平6-8-営-95」という具合である。なお、本書文例に示した発信番号に「経理部発第○○号」とあるのは、経理部がこの年に発信した○○番目の文書であることを意味している。
●文書番号の付け方列
平成6年8月に営業部が発信した第95通目の文書
↓
平6-8-営-95
(2) 発信日付
文書には発信日付を必ず記載する。何かあった場合の後日の証拠ともなるので、年月日を正確に記すことが大事。
注意したいのは、文書日付は「作成日」ではなく、必ず「発信日」を書き入れること。なお、日付は西暦でも元号でもよいが、一般には元号を用いるケースが多い。
●発信日付の注意点
文書の作成日→発信日付 ×
文書の発信日→発信日付 ○
(3) 受信者名
受信者名は、企業、団体などの組織名、部署名、役職名、個人名の順に書く。株式会社を(株)有限会社を(有)などと略して書くのは相手に対して失礼となるので、してはならない。
●受信者名に略称は失礼
株式会社→(株) ×
株式会社→株式会社 ○
(4) 敬 称
受信者名の後ろに付ける敬称は、一般に、宛先が会社、官庁、団体、商店、部課などの組織である場合は「御中」。役職名あるいは個人名なら「殿」か「様」。同一内容の文書を多数発信する場合には「各位」とする。しかし、「各位」については、できれば相手の名前を一つ一つ丁寧に書くほうが望ましい。
また、先生の呼称が一般に定着している職種の相手には「先生」の敬称を用いることが無難である。
敬称でしばしば頭を悩ませるのが、役職宛の場合である。役職名それ自体が既に敬称であるから、役職名の後にさらに「殿」「様」を付けるのは敬称を重複させることになるという主張もある。つまり、「○○総務部長」とすべきか、「○○総務部長殿」とすべきかの問題だが、これをすっきり解決するには、「総務部長○○様(殿)」とするのがよいだろう。
●一般的な敬称の付け方
企業・官庁・団体・商店・部課の組織宛→○○御中
役 職 宛 →総務部長殿
個 人 宛 →○○○○様
先 生 宛 →○○○先生
多 数 宛 →各位
組織の全員宛 →御一同様
