マラソン競走
公民館の角を曲がり、校門まであと百メートルという所で、一気に和人君を追いぬいた。校庭に入って、二百メートルを一周すればゴールだ。蓄えておいた力を全部出し切って走った。あと五十メートルという所で、足がもつれて走れなくなりそうになった。でも、すぐ後ろを走る正一君がラストに強いのを知っているので、必死になって頑張った。
あとゴールまで三十メートル。もう一息だ。周りの風景も全然目に入らない。ワーワーと、声援だけが響いてくる。歯を食いしばって、最後の力を絞り出す。
ゴール。正一君とほとんど一緒だった。肩で息をしている正一君のところに行って、
「君の追い込み、すごいね。ぼく、負けたようだよ。」と言った。はあはあ息がはずんで、うまく話せない。
「君のほうが、一歩足を出すのが早かったから、君が一位だと思うよ。」正一君の言葉も、とぎれとぎれだった。足が棒のように感じられる。足で体をささえきれなくて、思わず坐り込んでしまった。足はずきんずきんするし、体はかっかとほてるし、力が入らない。みんなが入りみだれて、ゴールインしてくる。
しばらくして、平川先生が小さいな紙切れを持ってこられた。なんだろうと思って見たら、「一」と書いてあった。これは、「一」だ。確かに一位だ。今までの疲れが、一遍にさあっと飛び去った。やったぞ。とうとう一位だ。
「やったぞ。とうとうやったぞ。」と、大空に向かって、精一杯叫びたい気持ちだった。
ファンクション用語
話題をかえる
A:さっきの話の続きですが、健康な体をつくるためには、自分の力に応じて頑張らなければならないと思います。
B:この問題についてはご意見がいろいろ出ましたので、この辺で一つ話題をかえたいと思いますがよろしいですか。
C:結構です。
B:では、次の問題に移っていただくことにしましょう。
