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みんながばらばらな考えを持って、勝手な行動をしたのでは、委員会や係の仕事を進めるにも、/動や遊びをするにも、うまくいくはずがありません。みんなでよく話し合い、全員が協力して学校生活を送るようにしましょう。話し合いの目的は、一人一人が自分の考えを出し合って、よりよい考えを作り出していくことです。
川村君たちのクラスは先日、「健康な体、頑張りの利く体力」という目標を決めた。次のクラス会では、どうやって体力作りをするかを話し合うことになっている。今日は、そのために、班ごとに考えをまとめることになった。一班では、班長の川村君が司会をして話し合った。
会話
川村:体力作りをするのに、僕たちの班としては、どんなことをしたらいいでしょう。みんなで考えを出してください。
池田:休み時間に、鉄棒で前回りを五回ずつするといいと思うけど、みんなはどう思う?
谷口:池田さんのように、鉄棒の得意な人はいいけれど、わたしみたいに、不得意な人もいるから、どうかしら。
小山:それに、鉄棒の数も少ないし、順番を持つ間、時間がむだになるわ。
池田:そうかなあ。五回ずつしたって、一分もかからないと思うけどなあ。それに、あまり得意でない人は、二回でも三回でも、回れるだけでいいと思うけど。
大西:僕は賛成だな。だけど、鉄棒だけでなく、ほかのことも考えてみようよ。
川村:そうですね。鉄棒だけだと、ほかの班の人たちが、使えなくなるかもしれませんね。大西君が言ったように、ほかに何か一緒にやれることがあればいいと思います。ほかの案も出してみてください。
木下:わたしは、登り棒がいいと思います。いつも、先生から、このクラスは、みんな腕の力が弱いと言われているでしょう。腕を使う登り棒なら、ぴったりだと思います。そして、富士山の高さを目標に登る、というようにしたら、励みにもなります。中休みは時間が少ないから、昼休みや放課後を利用するようにしたらいいと思います。
大西:富士山登り棒か。おもしろそうだね。
池田:ちょっと待って。富士山の高さは、三千七百七十六メートルだろう。一日、十メートルしても、約三百八十日かかるよ。
小山:でも、わたしだったら、三メートルのあの棒なら、続けて十回は平気よ。だから、百三十日ぐらいで登り切るわ。
木下:わたしは一人一人の力に応じて登ればいいと思います。その点では、初めの池田さんの意見と同じです。
谷口:それは大事なことね。それなら、わたしでもできそうね。
大西:そうだ。富士山の高さに近づくことが分かるようにするために、グラフを作ったらどうかな。毎日、自分がどのくらい登ったか、はっきりするよ。それから、鉄棒の前回りも、同じようにグラフを作って、書き入れるようにしたらいいと思うな。
川村:木下さんの案について、だいぶ話し合いましたが、今までの話し合いで、二つの案が出ました。鉄棒と登り棒と、両方やるようにしたいと思いますが、どうでしょう。
全員:賛成。
川村:ほかに意見はありませんか。意見がなければ、まとめます。一班では、体力をつけるために、昼休みと放課後、鉄棒と登り棒をすることを次のクラス会に提案します。そのとき、鉄棒も登り棒も、一人一人の体力に応じてすることと、目標を決めてグラフに記録することをつけくわえるようにします。
では、一班の話し合いは、これで終わります。
