前文
李さんはよそから上海にきた人です。初めのころは上海語がぜんぜん話せませんでしたが、その後はだんだん話せるようになりました。
彼は今、日本語を習っていますが、まだ上手には話せません。それから、日本語の新聞はだいたい読めますが、手紙はまだ上手に書けません。そこで、沢田さんに日本語を教えてもらおうと思っています。
沢田さんは中国語を八か月ばかり習いましたけれど、まだ、それほど上手ではありません。やさしいことは中国語で言えますが、電話はまだかけられません。中国語の放送もよく聞き取れません。よく聞き取れるようになるために、彼は毎朝、中国語の放送を聞いています。
沢田さんはレポートを作成する時に、いつも日本から持ってきたワープロを使っています。李さんは、ワープロはまだ打てません。ですから、沢田さんに教えてもらおうと思っています。
会話
沢田:李さん、あなたは上海語が話せますか。
李 :私は雲南省から上海にきたもので、初めのころは上海語がぜんぜん話せませんでしたが、今ではだいぶ話せるようになりました。
沢田:李さんは北京語もできますか。
李 :ええ、北京語もできます。
沢田:北京語と上海語と、どちらが上手ですか。
李 :どちらも大して上手じゃありませんが、北京語の方が上海語より少し上手に話せます。
沢田:外国語では、どんな言葉ができますか。
李 :日本語ができます。
沢田:日本人と会話ができますか。
李 :できますが、あまり上手には話せません。
沢田:日本語の勉強でいちばん苦労した点は何ですか。
李 :何と言っても、漢字の読み方ですね。日本で日常ふつうに使われている、いわゆる「常用漢字」はどのぐらいですか。
沢田:千九百四十五字ぐらいです。李さんは字引を引かないで、日本の新聞が読めますか。
李 :はい、字引を引かなくても日本の新聞はだいたい読めます。
沢田:日本語で手紙を書くこともできますか。
李 :書けます。でも、上手には書けません。
沢田:英語はどうですか。
李 :英語は少ししかできません。いま、テレビ講座で英語を習っています。
沢田:初級ですか、それとも中級ですか。
李 :中級です。沢田さんはきっと英語も中国語もお上手でしょう。
沢田:英語はだいたいできますが、中国語はまだあまりできません。
李 :そうですか。ちょっとお願いがあるんですが、お暇な時に、日本語を教えていただけませんか。
沢田:いいですよ。李さんも私に中国語を教えてください。
李 :ええ。でも、上手には教えられませんよ。
沢田:私も同じですよ。週に一度ぐらい私の寮へ来られますか。
李 :ええ、行けます。
沢田:毎週金曜日にしましょうか。
李 :金曜日は授業があるのでいけませんが、土曜日の午後なら行けます。
沢田:じゃあ、土曜日の午後にしましょう。よろしくお願いします。
李 :こちらこそ。沢田さんは中国語をどのぐらい習っていますか。
沢田:八か月ばかり習います。けれども、まだだめです。
李 :中国語の勉強でいちばん苦労した点は何ですか。
沢田:何と言っても、「四声」ですね。
李 :言いたいことは言えますか。
沢田:はい、やさしいことなら言えます。
李 :中国語で電話がかけられますか。
沢田:いいえ、まだかけられません。
李 :買い物は一人でできますか。
沢田:始めのころは一人でできなかったので、友達に何回も連れて行ってもらったのですが、今では一人で行けるようになりました。
李 :タクシーやバスには一人で/れますか。
沢田:タクシーには一人で/れるようになりましたが、バスはまだ一人では/れません。
李 :中国語の放送は聞いてわかりますか。
沢田:まだよく聞き取れません。よく聞き取れるようになるために、毎朝、中国語の放送を聞いています。そして、できるだけ中国語で中国の方と話すようにしています。
李 :中国語の新聞を読んでいますか。
沢田:いいえ、漢字ばかりなので、とても読めません。漢字は難しいですね。
李 :そうですね。リポートを書く時はきっと大変でしょう。
沢田:いいえ、レポートはそれほど大変じゃありません。ワープロを使っていますから。
李 :そうですか。沢田さんはワープロを持っているんですか。
沢田:ええ、日本から持ってきたんです。李さんはワープロが打てますか。
李 :いいえ、タイプなら打てますが、ワープロは打てません。ワープロは難しいでしょう。
沢田:いいえ、ワープロはとても使いやすいですよ。
李 :でも、慣れるまでだいぶ時間がかかったでしょう。
沢田:そうでもないですよ。二、三週間練習すれば使えるようになりますよ。
李 :そうですか。今度私にも教えてくださいませんか。
沢田:ええ、よろこんで、ところで、日本語学部には、ワープロの教室はありますか。
李 :ええ、あります。
沢田:学生はワープロを自由に使うことができますか。
李 :いいえ、授業の時は先生の指導のもとに使えますが、ふだんは使えません。
沢田:じゃ、私のワープロを貸してあげましょう。
李 :どうもありがとうございます。沢田さんは中国語と英語のほかに、どんな外国語ができますか。
沢田:スペイン語とロシア語が少しできます。
李 :外国語の勉強が好きですか。
沢田:ええ、外国語の勉強が大好きです。
李 :外国語のほかに、どんなことが好きですか。
沢田:いろいろ。
李 :例えば?
沢田:スポーツでは水泳が好きです。
李 :どのぐらい泳げますか。
沢田:二千メートルぐらい泳げます。李さんは何が好きですか。
李 :ギターが好きです。
沢田:弾けるんですか。
李 :はい、弾けます。
沢田:歌も歌えますか。
李 :ええ、それほど上手じゃありませんが、カラオケの曲もよく歌います。
沢田:そうですか。今度、交歓会や忘年会でぜひ歌ってください。
李 :ええ、その時に披露しましょう。
ファンクション用語
定義(ていぎ)
A これは「外国語」という月刊誌です。
B 月刊誌とは何のことですか。
A 月刊誌というのは毎月一回出る雑誌のことを指します。
B なぜ「外国語」というんですか。
A 外国語大学の雑誌ですから、「外国語」と名付けられました。
