2001年日语能力考1级试题(3)

网络资源 Freekaoyan.com/2008-04-14

(2) 調べることと書くことは、もっぱら私のようなジャーナリストにだけ必要とされる能力ではなく、現代社会においては、ほとんどあらゆる知的職業において、一生の間必要とされる能力である。ジャーナリストであろうと、官僚であろうと、ビジネスマンであろうと、研究職、法律職、教育職などの知的労働者であろうと、大学を出てからつくたいていの職業生活のかなりの部分が、調べることと書くことに費やされるはずである。近代社会は、あらゆる側面において、基本的に文書化されることで組織されているからである。
人を動かし、組織を動かし、社会を動かそうと思うなら、いい文章が書けなければならない。いい文章とは、名文ということではない。うまい文章でなくてもよいが、達意の文章でなければならない。文章を書くということは、何かを伝えたいということである。自分が伝えたいことが、その文章を読む人に伝わなければ何もならない。
何かを伝える文章は、まずロジカルでなければならない。しかし、ロジックには内容(コンテンツ)がともわなければならない。論より証拠なのである。論を立てるほうは、頭の中の作業ですむが、コンテンツのほうは、どこからか材料を調べて持ってこなければならない。いいコンテンツに必要なのは、材料となるファクトであり、情報である。そこでどうしても調べるという作業が必要になってくる。

問1 ?近代社会?とあるが、筆者はその特徴をどのようにとらえているか。
1 官僚でも、ビジネスマンでも、研究者でも活躍できる社会
2 文書が作られ、それに基づいて人や組織が動いている社会
3 法律職などの知的労働者が作成した文書に従って動いている社会
4 大学を出てから職業につく人があらゆる場面で必要とされる社会
問2 ?いい文章?とあるが、筆者はそれをどのようなものと考えているか。
1 調べることと書くことに時間を費やした文章
2 人々を感動させて社会を動かそうとする文章
3 自分の伝えたいことが相手に十分伝わる文章
4 小説家が書くような豊かな内容の文章
問3 いい文章を書くために必要なことは何か。
1 論理を組み立てることと、論理を支える情報を調べること
2 論理とそれを支える証拠を頭の中で組み立て、見つけだすこと
3 ジャーナリストが持っているような知的能力を身に付けること
4 ジャーナリストだけでなく、あらゆる職業生活について知ること

(3) 実在する人間の個性をはっきりつかんだ顔が、いわゆる似顔である。
似顔のコツとは、その相手のいちばん大きな特徴をつかんだら勝ちである。男ではめがねとかひげ、女では顔のりんかくと口もとを描いただけで、もうその人だとわかることもあるくらいだ。 
政治家でいえば、(故)吉田首脳はめがねと口、(故)岸首脳は口もと、(故)佐藤首脳はまゆ毛と目、そして(故)田中首脳はひげが、最大の特徴であった。
一般に、アクの強い顔は( A )。わるくいえば、顔がくずれているからだ。こういう顔は、チラッと見ただけで、印象深く頭の中に残るから、特徴をつかまえやすい。さよう、相手の顔はチラッと見るに限るのだ。顔の全部を、穴のあくほど、ジーっと見ていると、だんだんかんじんの特徴はわからなくなってしまう。
ことに写真をもとに似顔を描こうとすると、その写真そのものが、本人と似ていなかったりすることもあるのだから、あまり、直感的な強い特徴がつかめないことがある。
それほど顔の特徴というものがない人がいる。こういう人の似顔はたいへんむずかしそうだが、特徴のない顔という点が、特徴といえば特徴といえよう。
ぼくは、こういう相手の似顔を描くときは、そばの二、三人の別な人物の似顔もいっしょに描いてみることにしている。
すると、その二、三人の顔のなかにまじった本人の顔が、なんとはなしに、やっぱりほかとはちがった個性があるなとわかってくるものだ。

問1 ( A ) に入れるのに適当なことばはどれか。
1 かんたんに似顔になる
2 特徴がつかまえにくい
3 めがねやひげが必要だ
4 注意深く見る必要がある
問2 ?本人の顔?とあるが、何を指しているか。
1 個性的でアクの強い人の顔
2 写真と実物が似ていない人の顔
3 似顔を描いているときの筆者の顔
4 顔の特徴があまりないような人の顔
問3 筆者は似顔の描き方について、どのような考えを持っているか。
1 写真を見ながら似顔を描くのはまちがったやり方だ。
2 いかに相手の顔の特徴をとらえるかがかんじんである。
3 どんな人でもよく観察して顔の特徴をつかむのがよい。
4 初めて描くときは二、三人の似顔を同時に描くとよい。

(4) われわれの体にはふだん気がつかないような工夫がたくさんひそんでいる。足の裏は何も感じないようにセットされているが、靴の中や靴下の中に1ミリの異物でもあると敏感なシステムが作動する。ふだんはその敏感なシステムはオフになっているのだ。オフにしておかないと、靴下の感触をいつも感じてしまい、何もできなくなるからだ。 
赤ちゃんの手のひらを強く押すと口が開く、などというのも、隠れたシステムである。これは手と口が密接な情報関係を持っていたことを暗示する例で、大人になるにつれてこの関係が鈍化する。
しかし、もともと赤ちゃんは何でも口に入れてモノの形を確認しているわけであって、それを大人たちが次々に制止するため、しだいにそのような行為をしなくなっただけなのだ。ということは、われわれの?内なる情報システム?のどこかには、いまなお口と手が結びついているということである。緊張しすぎると口がカラカラになり、手に汗がたまるというのは、その名残であろう。

問1 人間の足の裏に関する説明として、適当なものはどれか。
1 人間の足の裏はふだんは何も感じないが、異物の存在は敏感に感じとる。
2 人間の足の裏には体の中でも特に敏感なシステムがあり、常に作動している。
3 人間は、足の裏に安定した感触を感じていないと、何もできなくなってしまう。
4 人間の足の裏が、靴下の感触を常に感じているのは赤ちゃんのときだけである。
問2 ?この関係?とあるが、何を指しているのか。
1 赤ちゃんの、緊張することと口がかわくこととの関係
2 大人の、緊張することと手に汗をかくこととの関係
3 大人の手と赤ちゃんの口が情報を伝え合う関係
4 赤ちゃんの手と口が情報を伝え合う関係
問3 ?内なる情報システム?の説明として、適当なものはどれか。
1 大人になるにつれて、より敏感に感じるようになるシステム
2 大人たちが制止するため、しだいに消えてなくなるシステム
3 靴の中の異物や、靴下の感触をいつも感じているシステム
4 人間の体にひそんでいて、時に敏感に作動するシステム

問題Ⅲ 次の文章を読んで、後の問いの答えなさい。答えは、1?2?3?4から最も適当なものを一つ選びなさい。

法の下での人間の平等は、憲法でも保障された人間の権利である。しかし現実には、すべての人間や人間活動に平等が保障されているわけではない。社会的?民族的差別の問題は大きい。ここではこうした基本的人権にかかわる問題ではなく、職業、教育や所得に関する平等?不平等問題を論じる。
例えば親の階層(職業や所得)の不利さが子供の学歴達成に支障となることを考えてみよう。親の所得が高くないために、子供が大学進学をあきらめたケースはどうだろうか。奨学金制度が充実しておけば、本人の能力と努力がある限り、大学進学の道は開かれている。わが国の奨学金制度がさほど充実していないことは、アメリカとの比較で明らかである。わが国には機会の不平等は残っているといえる。逆に、アメリカでは機会の平等への執着は強いといえる。もっともわが国においても、国民の所得水準が向上したことによって、親の経済力が原因となって進学できないというケースは以前より減少しており、この問題の不平等性は低下している。
もう一つ例をあげてみよう。企業が新卒者を採用する時に指定校制度というのがある。特定大学の学生のみに受験?面接の機会が与えられ、他の大学生にはその機会がない制度である。企業がこの制度を採用する理由は次の通りである。第一に、入学試験の難しい大学や、良い教育をしている大学の学生は知的活動や生産性の上で優秀な学生という印象がある。第二に、それらの大学に卒業生が、企業で良い成果を上げていることをその企業が知っている。第三に、募集してくるすべての学生を無制限に選考すればコストがかかる。これらを要約すれば、企業にとっては合理的かつ選択のリスクが小さい制度である。
ただし、ここで指定校制度の合理性を指摘することによって、?受験戦争?を肯定する気はない。(中略)過酷な?受験戦争?には負の側面が多いので、戦争をなくする必要性は高い。
ところで、特定大学以外の学生にとっては、就職試験の機会が最初から排除されているので、機会の不平等と映るかもしれない。確かにその側面があることは否定しえないが、よく考えるとその人達にも特定の大学の受験の機会が高校生の時にあったわけで、機会の平等が完全に排除されていたとはいえない。実際にその大学を受験したかどうかは問題ではない。しかし高校生にまで企業に指定校制度があることを知っている、と期待するのは酷である。機会の平等をこのように考えてみると、意外に複雑な原理なのである。 
機会均等の原理を実施することは容易ではないが、理想として常に念頭のおかれるべき原理である。すべての意欲のある人には、参加と競争の機会が与えられることが望ましい。教育の機会、仕事の機会、就職の機会、昇進の機会、人生上の様様な活動において多くの人に平等な機会が与えられた末に、参加者が競い合うこととなる。競争の結果勝者と敗者が出ることは仕方がないことだし、勝者にも順位づけが行われることもやむをえない。

問1 第2段落の内容と合っているものは、どれか。
1 日本では親の経済力が高くないために子供が進学できないケースは減ってきている。
2 日本では親の経済力が高くないために子供が進学できないケースが依然として多い。
3 アメリカでは機会の平等が重視されるが、奨学金制度は日本ほど充実していない。
4 アメリカでは機会の平等が日本ほど重視されないが、奨学金制度は充実している。
問2 指定校制度の特徴として、筆者の説明と合うものはどれか。
1 特定の大学の卒業生だけがその企業で働くようになるため、企業に対して忠実な社員を増やすことができる。
2 多くの学生の中から選ぶことになるため、企業は入社後すぐに成果を上げられる人を見つけることができる。
3 特定の大学以外の学生は、応募する際に試験を受けなければならないため、一定の基準以上の人を選ぶことができる。
4 優秀な学生がいると考えられる大学の学生だけが応募できるため、企業は低いコストで適当な人を選ぶことができる。
問3 「その人達」とは、どのような人を指しているか。
1 大学授業をしなかった高校生
2 企業の採用試験に応募してくるすべての学生
3 企業が受験?面接の機会を与えていない大学の学生
4 企業が受験?面接の機会を与えている特定大学の学生
問4 高校の階段にまでさかのぼって考えた場合、指定校制度と機会の平等について筆者はどのように評価しているか。
1 高校生が指定校制度がなくなることを期待するはずがないから、機会の不平等はそれほど大きな問題ではない。
2 高校生は指定校制度があることを知ったうえで大学を受験しているのだから、機会の不平等はそれほど大きな問題ではない。
3 どんな高校生でも指定校の大学を受験することはできるが、すべての受験生が合格できるわけではないから、機会が平等であるとは言いきれない。
4 どんな高校生でも指定校の大学を受験することはできるが、指定校制度の存在はほとんど知らないだろうから、機会が平等であるとは言いきれない。 
問5 筆者がこの文章で最も言いたいことは、どれか。
1 すべての人間活動に平等が保障されているわけではないが、法の下での人間の平等は憲法でも保障された人間の基本的な権利であり、尊重されるべきである。
2 日本では、国民の所得水準が向上したことによって、職業、教育や所得に関する不平等の問題が減ってきたが、社会的?民族的差別の問題が大きくなっている。
3 機会の平等は複雑で実践の難しい原理だが、職業や教育に関する活動においてすべての人に平等な機会が与えられるべきであることを忘れてはならない。
4 現代社会は基本的に競争社会であるから、競争の結果、勝者と敗者に分かれ、勝者にも順位がつけられることはやむをえない。


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    本站小编 Free壹佰分学习网 2022-09-19