応用文
地球の自然を守ろう
一九七二年、スウェーデンのストックホルムで世界で初めて「国際人間環境会議」が開かれ、多くの国が参加して、地球の自然を守るために国際的に協力しようという話し合いが行なわれた。それ以来、国際会議は定期的に開かれているが、効果はなく、地球の自然破壊は進む一方である。早急に手を打たなければならない。人類は深刻な問題を抱えているのである。
例えば、アフリカで砂漠が一日に十五メートルずつという非常な速さで広がっているという。三〇〇〇年もの間、緑豊かな美しい土地だった所が、一九七〇年ごろから始まった急速な砂漠化で、今ではすっかり砂に埋もれてしまっている。湖も池も消え、農作物はもちろん、家畜のえさになる草も育たない。この砂漠化を引き起こしたのはほかでもない、私たち人間である。人が木を切り、家畜に草を食べさせる速さと量は、草木が自然に芽を出し、育つ速さと量とは比べ物にならない。
アジアの国々でも、人が木を切り、森林を破壊するということによって、自然環境の変化が起きている。緑のなくなった土地では、少しでも雨が降ると、土が流されて、川底にたまり、川を浅くする。その結果、毎年洪水が起こるのである。
また、地球を取り巻く空気の問題も無視できない。人々の生活から出される二酸化炭素やフロンガスは気温を上げる。車や工場から出される排気ガスは空気を汚し、その汚れた空気も自然破壊につながっている。恐ろしい酸性雨が生み出され、木々や農作物は枯れ、土地そのものも破壊されてしまうのである。酸性雨に汚された川や湖では魚が生きられない。魚も植物も生きられない地球では、人間も生きられないはずである。人間は自分たちの都合ばかりを考えて、地球を自分たちが住めない場所に変えてしまっているのだ。生活が少しでも便利になるようにと工業化を進められるだけ進め、地球の緑をエネルギーに変えて消費し続けてきた国々もあれば、人口増加に伴って人々の生活のために木々を切り倒してきた国もある。このどちらもが自然破壊をもたらしたことは明らかである。
地球の環境問題に関する国際会議があちらこちらで開催され、新聞やテレビでもそのニュースが報道されている。今何か対策を立てて解決を急がなければ、環境破壊はどんどん拡大し、手遅れになってしまう。この大切な地球を守って、住みよい場所にできるかどうかは私たち次第なのである。
ファンクション用語
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学生:先生、期末のお仕事、大変だそうですね。
先生:うん。ゆうべやっと採点が終わってね。
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