李 :人口が多いから、交通問題も悩みの一つですね。とくに朝夕のラッシュアワーの混雑はものすごく、電車に/れないで、プラットホームに残されることも珍しくありません。
王 :東京は車が多いでしょう。すると、自動車の排気ガスなど、大気汚染の問題はありませんか。
李 :ありますよ。ひどい場合は、町を歩いていると、車の排気ガスで、頭が痛くなり、目も、のどもおかしくなりますね。ほかに、ごみ処理の問題もあります。
王 :東京の人口は多いですから、出るごみの量も大変なものでしょうね。
李 :そうです。焼く場所と埋める場所が問題になります。狭い土地に人口が集中している悩みはこんなところにも現われているのですね。
王 :日本の教育はどうなっていますか。
李 :制度的にはだれでも行きたい大学へ行くことができますが、しかし、大学に入るのにかなりのお金が必要です。そして、有名な大学を卒業しなければ、一流の会社に入れないというのが現状です。
王 :そうすると、一部の有名な大学に志願者が集中するでしょう。
李 :そうです。それで試験も年年難しくなります。そして、試験に失敗して二年も三年も浪人する学生が増えるばかりです。
王 :じゃ、いい大学に入るためには小学校の時から塾へ通わなければなりませんね。
李 :ええ、「受験戦争」という言葉もあるくらいですよ。
王 :教育問題が深刻化するにつれて、社会問題も出てくるでしょう。
李 :ええ、最近の新聞を見ると、中学生の非行の問題が多く出ています。深夜、バイクや自動車を/り回す暴走族、それからシンナー遊びなどの記事がよく新聞に出ています。
王 :教育はとても重要な問題ですね。ところで、日本と中国では、習慣や文化いろいろ違うと思いますが、訪日の間に困ったことはありませんか。
李 :ええ、それはたくさんなりました。中国で日本語を勉強した時、言葉のことについてはいろいろ習いましたが、習慣の違いについては全然習わなかったので、日本に着いて、はじめのうちは失敗ばかりしていました。
王 :一体、どんな失敗でしたか。
李 :例えば、靴の脱ぎ方も違います。
王 :どういう意味ですか。
李 :日本では、家の中に入ったとき、靴の先端を家の中の方に向けるのではなくて、履くときに便利なように、玄関のドアの方に向けておいておくのが礼儀です。
王 :そうですか。
李 :ホームステイで、日本人と一緒に生活して、日本の習慣が少しずつわかってきました。
王 :まあ、李さんは日本語が上手だから、言葉の面で、おそらく困ったことはないでしょう。
李 :いいえ、そうでもないですよ。はじめは、日本人の話し方がとても速いので、話がほとんどわかりませんでした。一か月ぐらいしてやっと慣れて、だんだんわかるようになりました。
王 :そうですか。
李 :大学で習った日本語と実際の日常会話で話される言葉がこんなに違うなんて思ってもいませんでした。日本の人は家の中では、くだけた話をします。先生や知らない人と話をする時は、「です」「ます」という丁寧な言葉を使いますね。
王 :そうですか。今日はいろいろ訪日の感想を聞かせていただいてどうもありがとうございました。
ファンクション用語
目的(もくてき) 目標(もくひょう)
A 私は今四級の日本語能力試験をめざして頑張っています。
B そうですか。何点を目標にしていますか。
A 四百点を目標にしています。そのために、明日、カセットデッキを買いに行きます。
B カセットデッキを買って何に使いますか。
A 日本語の練習に使います。とくに、聴解訓練をするにはカセットデッキが一番いいと思います。
