客机爆炸事故
世に飛行機の苦手な人は多いが、作家の恩田陸さんも、その一人だ。初めて/ったとき、「この床の下には何もない」と想像し、パニックになったと自著に記している。たしかに、地に足つかない心細さは、板の下に水のある船をしのぐ。
世界上苦于坐飞机的人很多,作家恩田陆就是其中之一。他在自著中写过他第一次乘飞机的时候,想象“飞机地板下一片虚空”而陷入恐慌的经历。确实,坐飞机时足不履地的心虚感更甚于乘坐舱下有水的船。
だからだろう。車輪が滑走路についたとき、詰めていた息を吐くような空気が機内に流れる。だが、それで安心するのは早いと、昨日の那覇空港の事故で思い知らされた。
或许就是因为这个原因。当飞机的轮子一接触到跑道,机内会流动着长舒一口气似的气氛。但是,通过昨天那霸机场的事故才明白此时就把悬着的心放下还为时过早。
台湾から到着した中華航空機は、タラップを付ける駐機場に入って止まった。普通なら、/客はこのあと自分で土を踏むだけだ。それが、機体は炎と/煙に包まれた。漏れた燃料に何かの理由で引火したらしい。
从台湾到达的中华航空的飞机,驶入搭好舷梯的停机场停下。按一般情况,乘客在此之后只要自己走到地面上就行了。但是,此时飞机被火焰和黑烟裹住。似乎是泄漏的燃料因什么原因被点燃了。
/客の話は生々しい。脱出シュートで外へ出て、一目散に走る背後に、爆発音が響いたという。まさに間一髪。全員無事だったのは奇跡的だろう。引火が何分か早かったら、あるいは飛行中だったら、と想像すれば背筋は冷たくなる。
乘客们的叙述很生动。他们刚刚从逃生滑道跑出去开始四散奔逃,背后就传来了爆炸的声音。真是千钧一发。全体无一伤亡也是个奇迹吧。一想到假如燃料被引燃早几分钟,或者是在飞行当中的话,就感到脊背发凉。
「墜(お)ちる」イメージの強い航空事故だが、地上で起きた例は少なくない。30年前に、大西洋のテネリフェ島で過去最悪の583人が死亡した。これも墜落ではなく、ジャンボ機同士の滑走路での衝突だった。
航空事故给人的印象多是“坠落”,但是在地面上发生的例子也不少。30年前,大西洋的特内里费岛发生了史上最惨重的航空事故,造成了583人死亡。这次也不是因为坠落,而是因为巨型客机在跑道上相撞。
飛行機嫌いがいれば、飛行機好きも多い。無類の後者だった精神科医、斎藤茂太さんに生前お会いしたとき、「人間が空飛ぶなんて奇跡的ですよ」と聞かされた。奇跡を当たり前に思っては安全はおぼつかない。謙虚かつ細心。航空会社の気構えなしには、旅客機の「床の下」は、ますます心細くなってしまう。
既有讨厌飞机的人,飞机的拥护者也很多。精神科医生斋藤茂太生前就是个飞机的超级爱好者,我和他见面时,他就说“人类能在天空飞是一个奇迹”。如果把奇迹当作理所当然安全也就不可靠。这就需要谦虚和细心。如果航空公司对此没有准备,客机的“地板之下”就会更加令人感到心中没底。
