新编日语第四册:第九課 七十の手料理

网络资源 Freekaoyan.com/2008-04-14

本文

  このごろ高齢の男性の間で料理の学習が盛んになったそうである。若いころは、男が台所に入るのは恥ずかしいこととされていた世代である。食事の用意はもちろん、湯を沸かすことさえできない男性も珍しくない。目の前にポットと湯のみがあっても、自分で茶を入れないという人もいる。
  こうした男性が、なれない手つきで包丁を握って大根に挑戦する姿は、ユーモラスにも見える。しかし、料理が好きで包丁を握っている人は少ない。食べるために、ほかに方法がないからやっている人が大部分である。
  こうした事態のかげには、社会の高齢化と家族制度の変化がある。昔はむすこ夫婦と生活を共にするのが普通だったから、妻に死なれても、むすこの妻が食事の世話をしてくれた。核家族化した現在、それは当てにならない。また、そのほかに女性の意識の変化も原因となっている。中高年の女性も外出することが多くなった。老妻が俳句の会やゲートボール、あるいは団体旅行に出かけたあと、ひとり残された老亭主は、「やれ、どっこいしょ」と重い腰をあげて台所に立ち、新聞の切り抜きなどを頼りに、そうめんをゆでるという風景が多くなったらしい。
  おもしろいのは、女性がひとりで外出する場合が多く、「原則として夫婦いっしょに外出」という形態には、まだなっていないことである。いま小学校の家庭科で、きゅうりの切り方を習っている男の子が七十になるころには、この点も変わっているのではあるまいか。

会話

(一)

会社の昼休み、同僚男女二人の会話
女:この新聞、もういりませんね。
男:ええ、一週間前のだから、捨ててもかまいませんよ。
女:ちょっと切り抜きたいんです。
男:へえ、どの記事ですか。
女:これです。
男:「七十の手料理」--ああ、おじいさん向けの料理法ですね。
女:ええ。
男:おたく、おじいさんといっしょなんですか。
女:いえ、主人の親は二人とも元気で、いなかにいますし、わたしの母はひとり暮らしです。
男:じゃ、料理を覚えなきゃならないおじいさんは、いないわけですね。
女:ええ、これ、わたしが使うんです。
男:えっ、「ほうれんそうのゆでかた」と「ひややっこの作り方」--これをですか。
女:ええ、おかしいですか。
男:いえ、そういうわけじゃありませんけど、ちょっと基本的すぎて、女性には用はないと思ったので。
女:いいえ、そんなことありません。こういう基本的なこと、教えてもらう暇がなかったんです、わたしたちの学生時代には。
男:ああ、受験勉強がたいへんでしたからね。
女:いえ、遊ぶのが忙しくて。


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